写真:Shirakawa-go - Shirakawa161 — lumoplank(CC0) via Wikimedia Commons
白川郷・五箇山の合掌造り集落
日本(岐阜県・富山県)
急勾配の茅葺き屋根が特徴的な「合掌造り」の家屋が立ち並ぶ山村集落。屋根の角度を急にしているのは、この地域が日本有数の豪雪地帯であり、雪の重みで屋根が潰れないようにするための工夫だ。屋根裏の広い空間は、養蚕(蚕を育てて生糸を作る)のための作業場としても使われ、江戸時代から昭和初期にかけて、この地域の重要な収入源になっていた。 合掌造りの茅葺き屋根は数十年ごとに葺き替えが必要だが、これは一軒の家族だけでは到底できない大工事だ。そこで発達したのが「結(ゆい)」と呼ばれる、村人総出で助け合う相互扶助の仕組み。今日はAさんの家の屋根、来年はBさんの家の屋根、というように、村全体で労働力を融通し合うことで、厳しい自然環境の中で集落全体が生き延びてきた。個人の家の維持が、共同体の協力によって支えられているという点が、この遺産の本質的な価値になっている。
📝 検定ポイント(これだけは覚える)
- 登録年は1995年、所在地は岐阜県・富山県
- 急勾配の茅葺き屋根=「合掌造り」、豪雪地帯への適応
- 村人同士の相互扶助の仕組み「結(ゆい)」が特徴
雑学メモ
- 合掌造りという名前は、急勾配の屋根の形が、両手を合わせて拝む「合掌」の姿に似ていることに由来する。
- 屋根の葺き替えには数百人規模の人手と、大量の茅(かや)が必要で、「結」の仕組みなしには集落の生活そのものが成り立たなかった。
- 屋根裏の広い空間では養蚕が行われ、明治から昭和にかけて生糸は日本の重要な輸出品だったため、この地域の暮らしを支えていた。