
写真:Mezquita-Catedral de Córdoba - Blending of Christian and Moorish architecture — Martinvl(CC BY-SA 4.0) via Wikimedia Commons
コルドバ歴史地区
スペイン
8世紀、イベリア半島に進出したウマイヤ朝によって首都と定められたコルドバは、10世紀には後ウマイヤ朝のもとで人口50万人規模ともいわれる、当時のヨーロッパ最大級の都市に発展した。この時代のコルドバでは、支配者であるムスリムのもとで、キリスト教徒やユダヤ教徒も一定の税を払うことで信仰と生活を保障される『ディンミー(庇護民)』という制度があり、3つの宗教の共同体が比較的穏やかに共存する時代が続いた。この共存関係は『コンビベンシア』と呼ばれ、ギリシャ哲学やインドの数学がアラビア語を経由してヨーロッパに伝わる、学術・文化交流の窓口としても機能した。 この街を象徴するのがメスキータ(コルドバのモスク・大聖堂)だ。8世紀末に建設が始まったモスクは、赤と白の縞模様が連なる馬蹄形アーチの列柱空間で知られる。13世紀、レコンキスタによってコルドバがキリスト教勢力の手に渡った後も建物自体は破壊されず、内部に巨大なカトリック大聖堂が『埋め込まれる』形で増築された。1つの建物の中にイスラームとキリスト教、2つの宗教建築が同居する姿は、中世イベリア半島の複雑な歴史をそのまま体現している。
📝 検定ポイント(これだけは覚える)
- 登録年は1984年、所在地はスペイン・コルドバ
- ムスリム・キリスト教徒・ユダヤ教徒が共存した『コンビベンシア』を象徴する都市
- メスキータ(モスク・大聖堂)は、モスクの中にカトリック大聖堂が埋め込まれた複合建築
雑学メモ
- コルドバのモスクは、後ウマイヤ朝の君主アブド・アッラフマーン1世によって785年に建設が始まり、その後複数回にわたり拡張された。
- 16世紀、モスクの中央部分を切り開く形でルネサンス様式のカトリック大聖堂が建設され、以来『メスキータ・カテドラル(モスク・大聖堂)』という珍しい複合建築になっている。
- コンビベンシアの時代、コルドバには大規模な図書館があり、蔵書数は数十万冊にのぼったとも伝えられ、当時のヨーロッパ随一の学術都市だった。

